こんにちは。BassパートのM-Chinです。
昭和40年代の生まれで、団歴は2年程度。blog初投稿です。
少し長くなりますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
突然ですが、皆さんはご自身のセクシュアリティについて悩んだ経験はありますか?
最近の若い方にこう尋ねると、「いや、別に…」という返事が返ってくる事も珍しくなく、「時代は変わったなぁ。」とつくづく思います。
そんな私は随分長い間、出口の見えないトンネル中で悩み、常に心のどこかで孤独を感じならが人生を送ってきました。
私が自身のセクシュアリティが周囲のそれと異なる事に気づいたのは思春期の頃でした。
当時はまだまだセクシュアルマイノリティに対する情報は少なく、世間の理解も乏しく、「気持ち悪い」存在として、軽蔑されたり嘲笑されたりする風潮が強い世の中でした。
そんな時代にあって、周囲との違和感を感じながら私は、「今は少し男性に興味あるけど、それは一時の事。自分は普通。そんな親不孝な存在であるはずがない。」と思い込んでいました。
この様に、自分は一過性のマイノリティ要素を含んだマジョリティだと認識していましたから、「いつかは治る。」と信じていました。
同級生の女の子と付き合う一方で、その子とデートで行った初詣では、「今年こそ治ります様に。」と心の中でこっそり祈願していた十代の頃。
カモフラージュの為に、無味乾燥なA◯女優の名前を頭に叩き込む一方で、ある論文に掲載されていた、同性愛治療の方法を試していた二十代の頃(ある学問領域では、同性愛は治療の対象とされていた時代があったたんですよぉ。)。
そして三十代。とうとう私は諦めました。
心の闇の存在を認め、それとともに、ただし誰にも明かさず、その闇を抑え込んで生きていく覚悟を決めたのです。
そうです。心の闇です。
つまり、私は自身がゲイである事を、軽蔑に値する事だと強く認識していました。
そしてそんな自分をずっと責め続ける人生を送る事を、消極的に受け入れたのです。
こんな深刻な闇を抱えた状態で、周囲と心の底から打ち解け合えるはずなどありません。
当時の私は一見、明るく振る舞い、周囲にはいつも沢山の友人や同僚がいて、羨ましがられる事も少なくありませんでした。
が、それは永遠に埋まらない空虚感を埋める為の振る舞いだったのだろうと、今振り返って思います。
この様に、表面的な体裁を取り繕いながら、実は孤独に生きていた私に、本当の自分の居場所など見つかるはずなどなかったのです。
否、「もし本当の自分が安住する居場所を見つけてしまったら、それまで抑え込んできた闇の部分が、堰を切ったかの様に溢れ出し、
ある朝目覚めたら手がつけられない程のオネェになってしまうのではないか…」、そんな恐怖心すら抱いていました。
つまり、本当の自分の居場所を見つけようとすらもしていなかった、と言った方が正確なのかも知れません。
そしてそんな私が五十代半ばに差し掛かり、体力の衰えを感じ始めた頃、勇気を振り絞って入団。
気がつけば時代を経て、セクシュアルマイノリティに対する、私を含めた世間の受け止め方は随分変わっていました。
「このままだと、人生を閉じる時にきっと後悔する。とにかく動き出そう。今日が人生で一番若い日だ。」、ある年のクワイヤーボーイズの定期演奏会を聴いた直後に、そう思ったのが入団のきっかけでした。
私が尊敬する団長の言葉です。
「私は団員の居場所としてのクワイヤーボーイズを、何よりも大切にたいと思います。全ての団員にとって、『顔を出せばどこかに居場所がある』、この団がそんなサークルであることを願っています。」
素敵な言葉だと思いませんか?
長い間、トンネルの中で彷徨っていた私にはとても印象深い言葉でした。
そして言葉だけでなく、団長自ら有言実行される姿を見る度に、頭が下がる思いがしています。
最近では団の諸先輩方の解放された振る舞いにも慣れ、少しずつですが、本当の自分の居場所を見つけつつあります。
かと言って、以前恐れていた様に、闇の部分が溢れ出す様な事もなく、表面的には変わらず平穏な日々を送っております。
そして現在は、「残りの人生、自分を責めるばかりでなく、せめてこの団の空間にいる、その時間くらいは、こんな自分を少しは認めてやっても良いんじゃないか?」、そう考えています。
皆さんは本当の自分の居場所を見つけられていますか?
もし歌う事が好きで、私が経験してきた様な悩みの中で、孤独を感じているならば、クワイヤーボーイズで、音楽を楽しみながら、一緒にそれを探してみませんか?
昨年12月、無事定期演奏会を終え、この1月から新しい曲の練習が始まりました。
私の楽譜はまだほぼ新品です。
これから約1年かけて、楽譜が書き込みでいっぱいになるまで、団の皆さんと音楽を作り上げていきます。
団員の年齢や経歴、そして職業はもちろんの事、歌の実力や価値観も様々です。
様々だからこそ、ここならあなたの本当の自分の居場所が見つかるかも知れません。
このblogを読んで共感して下さり、一歩前に踏み出される方が一人でもいてくだされば、私はとても嬉しく思います。
その時は是非私を探してお声がけ下さい。
特典として、(すごく恥ずかしいけど)私が二十代の頃に真面目に試していた同性愛治療の方法を、こっそりお教えします(効果は「?」でしたが、今思うと結構笑えます)。
では、お会い出来る日を心より楽しみにしています。
最後まで読んで下さりありがとうございました。