入団する前、そして、入団して


 はじめに

クワイヤーボーイズ(CB)のブログをご覧の皆さん、はじめまして!セカンドテノールの「みつき」と申します、今回初めてブログを投稿します。それもそのはず、私は昨年10月に正団員として入団したばかりの新人です。(すでに演奏会に出演済みの場合、入団2年目とカウントする、など諸説あるようですが…)

そんな私が、「入団したきっかけ」について書き記します。 今後見学や入団を迷われている方にとって、この投稿が少しでも後押しになったら嬉しいです。 そして、現団員や関係者の皆さんには、「みつき」を少しでも知っていただく機会になれば嬉しいです。

入団したきっかけ

ちょっぴり恥ずかしいのですが、嘘のないシンプルな回答をするならば僕が最初にCBの見学に行こうと思ったのは「Gの繋がりが欲しかったから」です。正直、その繋がり方は歌でも、何かスポーツでも何でもよかったのです。
ただ、自分が好きだった「歌」という活動を選びました。

Gの繋がりが欲しいと思った経緯を、中学校くらいまで遡ってお話します。中高は神奈川の男子校に通っていました。 そこはゲイ的な言動をターゲットにした冗談や批判が毎日飛び交うような世界でした。 その時すでに僕は自分のセクシュアリティに明確な自覚があったので、そういった日常は不愉快でした。一方で、友達に同化して、一緒にただ笑うしかない自分がいました。 セクシュアリティを公にしたら笑われる、バカにされる、否定されると簡単に想像が出来たので、ずっと隠していました。だから、Gの友達なんてもちろんいませんでした。

それもあって高校卒業後の進路には、中高の同期が一人もいない新天地を選びました。諸々恵まれたお陰で、自分のセクシュアリティをオープンにしやすい環境でした。 大学のキャンパス内にある寮に全生徒が住んでいて、日中は同性カップルが手を繋いで当たり前のように歩いていたり、夜は大学のパーティで色んなジェンダーの生徒たちがイチャついていたり、そんなことが結構日常茶飯事な4年間でした。 もちろんそんな大学では、私もGの友人がいましたが、卒業してまたバラバラになってしまいました。 社会人になって、東京に来て、また自分は少数派の人間だとたまに制限を感じる世界に戻ってきました。

東京にGでない友人はいますし、その友人との時間も同等に貴重な宝物です。 しかし、今後のキャリアの話、恋の話、遊びの話、どれをとってもセクシュアリティという個人の一側面が差異となって、共感や相談ができないこともたくさんあると感じます。

また、今はチョメチョメモンスターとかいったアプリやSNSが発達しているので、Gの繋がりを作ることは僕の上の世代よりも容易になったのは言うまでもないでしょう。 たしかに、互いをオンラインで「フォロー」し合うような繋がりを作ることはしやすくなった。 でも、それは思いや経験を共有してできる友人・同志的な関係とは何か違うことが多い気がしています。

冗談を言って笑い合ったり、時には一緒に何かを創り上げてその感動から涙したりする、ちょっと暑苦しいかもしれないけど素敵な仲間。そんな人々に東京で出会うためには、対面で、リアルで、有機的な生の繋がりを持つしかないんじゃないかと思いました。

そんなことを思いながら「ゲイ 歌 サークル」でGoogle検索ボタンをポチッとしたことがきっかけで、CBの見学に至りました。

長くなりましたが、それが僕が見学•入団した経緯です。

入団して

そして、入団して本当によかった。


新人にすぐ派手なあだ名をつけるけれど取りまとめがピカイチの方、ブログではちょっと言えないような独自の性的嗜好をお持ちだけど優しさと知性に溢れる方、胸筋がはち切れそうなくらい発達しているけどたまに女装してピアノを華麗に引く方、、、などなど、ここには書ききれないほど多様で多才で温かくて、何より賑やかな人々に囲まれて活動することが出来ています。 真剣に歌の練習をするのはもちろん、練習後の飲み会では恋バナや仕事の悩みまで共有したり。 やっぱりオンラインではない、生のつながりにしかない価値がある、そう思います。 まだ入団して間もないので大袈裟かもしれないけれど、すでにCBは僕の中の「ホーム」の一つになりつつあると感じています。 そして、これからもっと色々な団員さんのことを知って、練習や合宿、コンサートで交流することにワクワクしています!

これから見学・入団を検討されている方へ

今、この記事をここまで読んで下さった方の中には、もしかしたら見学・入団してみたいと思っている方がいるかもしれません。 一方で、「知り合いも誰もいないしなぁ」「Gの団体で活動したことがないからなぁ」「合唱の経験はないしなぁ」と不安を感じてもいるかもしれません。 私も見学に行くまでは、そう感じました。 でも今は、あのとき一歩踏み出した自分に感謝しています。
今回は自己紹介も兼ねて、「こういう思いで入団する人もいるのです」という例をひとつご紹介させていただきました。 Gの方であれば、似たような思いや経験をされてきた方も少なくないのでは、と思います。入団のきっかけや思いはきっとなんだっていいのだと思います。もし少しでもCBを覗いてみたいという気持ちがある方には、是非一度見学にいらしてほしいと思います! 心よりお待ちしています!!